はっしぃのムシ図鑑「ミノムシ」
こんにちは、はっしぃです。
詳しいことは言わないですが、最近、自身の環境について大きな変化があって…
それでも、ムシへの「愛」は変わらないので引き続き、発信はしていきます!
というわけで、今回はボクが実際に家で飼育もしているミノムシについてです!
ミノムシ
いやぁ、いつ見ても可愛いですね(親バカ)
ミノの上から、ひょこっと顔が出てる感じがなんとも言えないですね(*´︶`*)
今日もボクがこの記事を書く為に写真を撮ろうとしたらお顔をのぞかせてくれました!
ミノムシっていうと枝からぶら下がってほとんど動かない…なんてイメージを持っている方もいるかもしれないです
が、
実はとってもよく動くんですよ!
毎日のように
「あれ?今日はどこに行ったんだろ?」って飼育ケースの中を探してます(笑)
また動き方もかわいくて、自分の体と同じかそれ以上に大きなミノを後ろにひっつけながら、体の前半分をミノの外に出す→ミノを引っ張る の繰り返しで動いていくんです!
とここまでは、ボクが実際に育てているうえでののろけ?みたいなものですが(笑)、ここからはもっとミノムシの生態そのものについて見ていこうと思います!
そもそもミノムシってなんなのか?っていうのを知らない人も実は多いのではないでしょうか。
ミノムシは、ミノガと呼ばれる蛾の幼虫、つまりイモムシです。
なので大人になったら、羽の生えた蛾の姿になります。
ただしこれは♂だけの話です。
♂は大人になると、口が退化してしまうので、エサを食べることもなく、♀を探して交尾のためだけに飛び回ります。
一方で♀は、というと蛹になったあとも羽は生えず、ミノの中で一生を過ごします。
幼虫の状態では、どちらか判断できないので、成虫になるまで待つしかないのですが、いずれにせよ成虫は長生きできないので、逃してあげるべきか、他のミノムシも何匹か飼ってあげるべきか…悩ましいところです。。
そして、日本でミノムシというとポピュラーなのは、オオミノガとチャミノガの2種になるのですが、このうちオオミノガの方は、日本でもとっても数が減っています。
西粟倉でもたくさんミノムシはいますが、おそらくほとんどのミノムシはチャミノガなのではないかと思います。
現にボクが家で飼っているのも顔を見る限り、チャミノガのように思えます。
2019/7/23 追記 「チャミノガ」ではなくボクが飼っているのはおそらく「シバミノガ」だと判明しました。
ではなぜオオミノガの方はそんなにも数が減っているのか、というとこれはオオミノガヤドリバエと呼ばれる中国由来の寄生バエによります。
この寄生バエはオオミノガの幼虫が、葉っぱを食べているところを狙ってその葉っぱに卵を産みつけます。
そしてその卵を口にしたミノムシの体を内側から食べ尽くしてしまうのです。
このハエによって、オオミノガは今や本州、九州ではほとんど見られないとまで言われるほどです。
参考までにオオミノガとチャミノガのミノのつき方の違いを説明すると
オオミノガ→真下に向かってつく/枝に付く部分は細い/小枝はミノにあまり使わない
チャミノガ→約45度の角度でつく/枝につく部分は広い/小枝もミノに使われる
といった違いがあります。
皆さんの周りで、もし
これはオオミノガじゃないかな?
と思われるようなミノを見つけた場合、持って帰って育ててあげるのも、彼らの生き残りのために大切になってくるかもしれません。
と、ちょっとここまでミノムシの悲しい情報になってしまったので、最後は
「ミノムシってすごいんだぞ!」
という情報をお伝えして締めたいと思います。
それはミノムシの吐く糸についてです。
自然界の“糸”といえば、クモの糸が、とても頑丈で1cmほどの太さに束ねるとジェット機の重さにも耐えることができてしまうというのは有名な話かもしれません。
ですが、去年の12月、農研機構と興和株式会社の共同研究によって、ミノムシの糸は、クモの糸と比較しても、繊維の変形しにくさ、ちぎれにくさ、粘り強さ(伸び)…全てにおいて上回るということが発表されました。
近い将来、ミノムシの糸が、身の回りの製品に用いられる…なんてことがあるかもしれないですね!
ミノムシからとれた繊維でできた服を身につけて、ミノムシを育てる。
うん、悪くないですね!!
おしまい。
参考
★ミノムシの意外に面白いその生態!!口のないオス、死ぬまでみの中で過ごすメス : 知識の泉 Haru’s トリビア
http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/ohara/oominoga.html
(研究成果) クモ糸を超えるミノムシの糸、強さの秘密を科学的に解明 | 農研機構